1: イリハム ★@\(^o^)/ 2014/07/27(日) 08:09:13.92 ID:???.net
ウイグル問題はこれまでチベット問題などと同列に少数民族問題としてくくられてきたが、
そうした総括はもはや通用しなくなりつつある。
ウイグル問題は「イスラムと中国の衝突」「中国のエネルギー安全保障」のふたつの観点で捉えるべきだからだ。

■中東は遠い場所ではない
新疆ウイグル自治区のウルムチから西に飛べば、北京に行くのとさほどかわらない時間で、イラクのバグダッドに着けるはずだ。
実際はそんな航空便は飛んでいないが、新疆ウイグルにとって中東は遠い場所ではない。
それゆえに今から2000年以上前にシルクロードが交易路として確立されたわけだ。
そのイラクでイスラム教スンニ派の強硬派が「イスラム国」の建国を宣言した。イラク中部からシリアにまたがる地域だ。
これが示すのは、イスラム教が依然として既存の枠組みを変えるほどのエネルギーを持っており、さらにイスラムに国境はないことだ。

これは中国指導部には心穏やかな話ではないだろう。
ウイグル族はじめ新疆ウイグルのイスラム教徒にイスラム国のようなダイナミックな活力が注ぎ込まれれば、
中国政府はそれを抑え付けるのがますます難しくなる。
1930年代、40年代に2回にわたって今の新疆ウイグルの地に建国された「東トルキスタン共和国」の亡霊が
中東とウイグルを結ぶイスラムの国際連携によってよみがえりかねない。
中国にとって不気味なのは中国を脱出したウイグル族の若者がすでに難民化し、その一部はアフガニスタンやパキスタンで軍事訓練を受け、
イラク、シリアでの戦闘に参加している、という情報があることだ。

中国にとってウイグル問題は、旧ソ連が1979年に軍事侵攻し、
かいらい政権を樹立したアフガニスタンのような泥沼の戦いになる恐れは十分にある。

中国の天然ガス需要は急増しているが、そのうち新疆ウイグルで生産されたり、
トルクメニスタンで生産され新疆ウイグル経由で輸入されたりしている天然ガスの比率は過半に達している。
西のガスを東の沿海部に運ぶことから「西気東輸」プロジェクトと名付けられたパイプライン網はすでに3本目の基幹線が稼働間近になっている。
中国にとって新疆ウイグルはエネルギーの安定調達のために欠かせない存在であり、安全保障の要の地となっている。

かつて絹や陶器、香料などが運ばれたシルクロードは21世紀の今、「エネルギーロード」となった。
同時に中東から中国沿岸まで大型タンカーが石油を運ぶ「シーレーン」と同じように新疆ウイグルを通る天然ガスパイプラインは
“ランドレーン”として中国政府にとって安全保障上、譲れないものになってきた。

■イスラムとの衝突も
海軍力が発展途上の中国にとって、シーレーン防衛には不安な面が大きいが、
陸続きで中央アジアからエネルギーを輸入できるパイプラインは陸軍大国、中国にとって軍事的な意味では守りやすく、頼れるものだろう。
過度な石炭依存から脱却するため、天然ガスを増やしたい中国にとってますます“ランドレーン”の意味は重くなる。 

当然、中国政府の新疆ウイグル支配、締め付けは強化されることはあっても緩和されることはないだろう。
一方で、既存の国境を無視したイスラム国のような存在が定着するような事態になれば、ウイグル族が鼓舞されるのも間違いない。
ウイグル族は中国国内だけで1100万人の人口を持ち、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスにも広がっており、
サウジアラビアなど中東諸国にもたどり着いている。

旧ソ連はアフガニスタンで泥沼に陥り、アフガンで戦ったイスラム過激派のビンラディンは米国に牙をむけた。
米国は9・11を受けて、イラクのサダム・フセイン政権を倒したが、やはり泥沼にはまりこんだ。
大国は自らの力を過信し、イスラムとの戦いで深い傷を負う歴史があるのかもしれない。
中国が同じ轍にはまる可能性は十分にある。

日本経済新聞 2014/7/27 7:00 http://www.nikkei.com/article/DGXZZO74735120V20C14A7000000/?dg=1

引用元: ・【新疆】絹の道は天然ガスの道 中国がウイグル支配強めるワケ[7/27]

【未だに山賊、中国共産党 【新疆】国絹の道は天然ガスの道 中がウイグル支配強めるワケ[7/27]】の続きを読む