1: まるっとニュー 2020/04/25(土) 10:23:41.10 ID:CAP_USER
●日本国籍の私は韓国で排除され、在日2世の母に近づけた気がした
コロナ対策に立ちはだかる「国籍」。「芸術」への理解。日本も韓国もまだまだだ
藏重優姫 / 韓国舞踊講師、日本語講師
2020年04月25日


 『日韓境界人のつぶやき』として、コロナ生活に関しては、今回が第4弾となる。

 日本も韓国も「コロナ19事態」では、社会的・経済的格差や、医療機関の脆弱な部分など、色んなものが露呈してきている。何事も「国家」「国籍」を前提に決められてしまうと、「またか…」とうなだれてしまう。国家がある限り、国籍は絶対的で根底的な決定条件になってしまい、それゆえ、即、外国籍の者は除外される。

 ――当たり前だよ。外国籍なんだから。自分の国に守ってもらえば? 

 と言う人もいるだろう。

 ――じゃあ、そのあなたが持っている国籍は自分が選んで、または、自分の力で勝ち取ったものですか? 偶然その国に生まれたからじゃないの? 

 と、言いたい。

 だから、出自(出身)で差別することは不平等なのだ。運も実力のうちというが、出自(出身)に関しては問題をはき違えている。


●在日2世の母の胸中

 外国人を含めるかどうかの対象者に関する文言は一転二転した。初めは「韓国籍に限る」と発表され、その後「内国人に限り」という言葉に変わった。

 しかし、詳細が公式に発表された時、結局、居住外国人は「内国人」の範疇に入らなかった。日本国籍の私は、やっぱり除外された。腹が立った。

 私は、日本でも支援金は貰えない。長期海外滞在を見越しているので、日本の住民表は抜いて来ている。

 だいたい「内国人」という言葉自体、無神経で無知識だ! と一瞬頭によぎるものの、「内国人」という言葉は、韓国「内」に住んでいる者という事か? と一抹の希望を私に抱かせた。馬の鼻先に垂らされたニンジンのようだった。

 しかし、それが裏切られたお陰で、昔、色々排除されたことなども思い出され、複雑だった(『日韓境界人が見たコロナ対策「日韓格差」』参照)

 自分のアイデンティティについて、韓国人か? 日本人か? 「在日」か? の民族的カテゴリーによって、他人から振り回されることは もう慣れっこだが、今回、大きく違う事は、国籍でばっさり切り捨てられたことだった(『日本人よ、韓国人よ、在日コリアンよ、私は私だ!』参照)。

 振り返ると、私の在日2世の母も、親戚のほとんども、常に制度的排除を経験してきた。幼いころから、悔しい体験や不条理だと感じている母の気持ちは痛いほどよく分かり、一心同体のように思っていたが、日本国籍の私と韓国籍の母には、絶対的な権利の違いがあった。だから、大好きな母と一緒になりたくて「韓国籍にかえる!」と言って母の表情を曇らせたこともあった。

 今回、ヘンな話だが、国籍で排除されたことによって、少し、母に近づけた気がした。こういう思いの積み重ねを在日はして来たんだと。

朝日新聞:論座
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020042200001.html?page=2


●プロフィール
日本人の父と在日コリアン2世の間に生まれる。3歳からバレエ、10歳から韓国舞踊を始め、現在は韓国にて「多文化家庭」の子どもを中心に韓国舞踊を教えている。大阪教育大学在学中、韓国舞踊にさらに没頭し、韓国留学を決意する。政府招請奨学生としてソウル大学教育学部修士課程にて教育人類学を専攻する傍ら、韓国で舞台活動を行う。現在、韓国在住。日々の生活は、二児の子育て、日本語講師、多文化家庭バドミントンクラブの雑用係、韓国舞踊の先生と、キリキリ舞いの生活である。

引用元: ・【在日】日韓境界人「外国籍だから自分の国に守ってもらえば?と言う人もいるが、あなたが持つ国籍は自分の力で勝ち取ったものですか」

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